新居の動線は水回り配置によって間取りが決まるほど重要です。
水回りの設備の設置や位置など、実際に購入した人からの聞き込み調査やネット上で後悔した内容を総合的にまとめた項目を紹介します。
その内容を基に「どんな間取り配置をすれば水回りの動線が便利になるのか」、「あらかじめ考慮すべき点はどのような所か?」など、さまざまな観点から解説します。
ぜひ、実際の間取り決めに活用してください。
キッチンとダイニングの後悔したポイント
設備配置やスペースの後悔
1.ゴミ箱を置くスペースが無い
2.吊戸棚と収納棚の奥行が深すぎた。
3.吊戸棚は利用する頻度が少なかった為、いらなかった。
4.キッチンからダイニングまでの通路幅が狭くすれ違いに苦労した。
5.レンジフードの換気扇の位置が悪く隣人とトラブルになった。
6.家電の配置や設置する収納棚の形状を把握していなかった為、コンセントの数が足りず追加で設置する場所もなかった。
7.床下収納は使いづらく意外と利用しなかった。
8.食卓用テーブルを6人程度利用できる広さにしておけばよかった。
9.ダイニングの近くにもコンセントを設置しておけばよかった。
10.冷蔵庫の位置をシンクに近い距離にしておけばよかった。
システムキッチンの製品機能の後悔
1.IHのトッププレートの色を黒とし、グリルを無くして収納スペースを優先すればよかった。
2.食洗器の容量が小さく引き出しタイプで使いづらい。
3.タッチレス水栓または水栓をホース式にすればよかった。
4.シンクの深さが浅くて水がはねてしまい周囲が水浸しになった。
5.レンジフードは連動式にすればよかった。
6.アイランド型キッチンを選んだらスペースが狭く、常にきれいにしておかないといけなくなった。
7.キッチンの高さが低すぎて作業しずらい。
あらかじめ考慮しておく点
システムキッチンの製品機能は、グレードによって価格が異なり、メーカーによって要望した機能に対応できない場合があります。
カタログだけではどうしても使い勝手がわからないことがあります。
また、選定した商品を取り扱っているメーカーのショールームなどで直接確認し、予算の調整・優先順位をつけておくことをお勧めします。
キッチンに設置する家電や家具の寸法や形状も把握し、コンセントの必要個数と取付位置も決めておき、スペース内に納まるか確認しましょう。
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トイレの後悔したポイント
設備配置やスペースの後悔
1.トイレットペーパー、掃除用具を収納するスペースが少なかった。
2.寝室の隣にトイレを配置してしまった為、音が響く。またトイレまでの距離が遠すぎて使い勝手が悪い。
3.リビングとトイレの距離が近すぎた。
4.窓を付けたら寒くなった。
5.扉を内開きにしたらスリッパが置けなくなった。
製品機能の後悔
7.費用をかけてでも便座ヒーターをつけておけばよかった。
8.トイレ内に小さな手洗いシンクをつけたら水がはねて床・壁が濡れてしまった。
あらかじめ考慮しておく点
トイレの数は、できれば階ごとに設置するように計画するほうが望ましいです。
なぜなら寝室を2階にする方は多く、寝起きの際にトイレに行きたい場合、わざわざ下の階まで行かなければいけません。
必要ないと思い、1階だけに設置して後悔している方は多くいます。
また排水音の伝わりを考慮し、寝室の隣は避けましょう。
トイレは、一時の期間しか滞在しないので窓の必要性はそれほど高くありません。
むしろ窓を設けず、壁一面を収納棚にする方が、利用頻度が高いでしょう。
製品機能についてはシステムキッチンと同様でショールームなどで直接確認をお勧めします。
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トイレの間取りの知っておきたいポイントとおすすめの設置場所とは?
浴室の後悔ポイント
設備配置やスペースの後悔
1.窓が無い為、暗くて湿度が高くカビ臭い。
2.浴槽が大きすぎて水道代が高い。
3.窓を大きくしたら寒い。
4.他の居住スペースを優先したら浴室が狭すぎた。
製品機能の後悔
1.手摺がった方が良かった。
2.浴室暖房・衣類乾燥機を付ければ良かった。
3.シャワースライドバーの操作が面倒だった。
4.折れ戸にしたら入口中央の継ぎ目がカビ易い。
5.上半分はヒノキで施工し、下半分をハーフユニットにしたらカビのメンテがすごく大変だった。
6.テレビやミストサウナのオプションはいらなかった。
7.壁・床の仕上げ材の色を黒にしたら汚れが目立って掃除が大変だった。
あらかじめ考慮しておく点
浴室の施工方法は、「建物構造躯体に直接内装仕上げ・設備工事を行う方法」と「ユニットタイプを組立て・取付をする方法」などがあります。
構造躯体に直接仕上げを行う方法は、設計寸法通リに施工が行える為無駄なスペースが無いことがメリットですが、費用はユニットタイプより高くなることです。
ユニットタイプは、メーカーからの商品を購入しその指定された寸法に合わなければならない為無駄なスペースが発生しやすいことです。
製品機能は、オプションで浴室暖房・衣類乾燥・汚れなどがつきにくい仕上げが選択できますが、追加費用が掛かる為予算調整と優先順位を決める必要性があります。
また使い勝手は、システムキッチンと同様でショールームなどで直接確認をお勧めします。
湿気やカビ・寒さ対策として300mm角程度の滑り出し窓のような気密性の高い小さなものを設置する程度にしておきましょう。
脱衣所の後悔ポイント
設備配置やスペースの後悔
1.洗面所と脱衣所を分けなかった為、生活動線と家事動線が重複し効率が悪く室内物干しとして全く機能しなかった。
2.スペースが2帖では人が立てる場所が混みあって使いずらい。
3.下着類の収納スペースを作らなかった為、着替えが面倒だった。
4.脱衣所にトイレを設けたら成長した子供に怒られた。
製品機能の後悔
1.スロップシンク(底の深い洗面器のこと。)を設けなった。
2.冬場の脱衣所はとても寒い為暖房機器を入れておけばよかった。
3.ドラム式洗濯機から通常の縦型洗濯機に変更したら洗剤を置く場所がなくなってしまった。
※スロップシンクとは、マンションのバルコニーなどに設置されている底の深い洗面器のことを指し、主に掃除道具や靴などを洗う流しとして使用されています。
あらかじめ考慮しておく点
脱衣所のスペースは、予算・土地の広さ・建物全体の面積などの調整で削減する対象となりがちです。
トイレや洗面所など生活使用の利用頻度や家事の効率性を高める為には、脱衣所と洗面所は別々にし洗濯機と洗面化粧台を設置できる用に洗面所を広くとる間取りが動線が重複せず使い勝手がよいでしょう。
また脱衣室を室内物干しと兼用する場合がありますが、家族が多い家庭にとって浴室を利用する頻度が多くなる為、家事効率が下がり好ましくありません。
加えてスロップシンクは、設置されていた方が便利なこともありますが、新築やリフォームに取付する際には以下の項目を注意しておかなければ使い勝手が悪くなります。
・使用する目的を明確にする。(例:野菜、掃除道具、靴、ペットの体や足など)
・泥などが跳ねて回りが汚れることを想定し、床や壁の素材を選定する。
・給湯配管はつけておいた方が汚れが落としやすいので便利。
・寒冷地域では凍結による排水管の破損がある為、他の水道管同様施工会社に凍結対策を施しておくこと。
このように実際の生活をイメージした間取り計画をするように意識するとよいでしょう。
物干し場の後悔ポイント
設備配置やスペースの後悔
1.室内物干し専用部屋が狭すぎた。
2.サンルームを設置すればよかった。
3.物干し場が洗濯機の場所から2階又は3階と遠く面倒だった。
製品機能の後悔
1.リビングにホスクリーンをつけたら生活感が丸出しだった。
2.べランダを作らなかった為、布団を干す場所がなかった。
あらかじめ考慮しておく点
物干し場を配置する位置は、洗面室又は脱衣室など水回りに近い場所でその付近に勝手口ドアを設け出入りできるよう設計する方が家事効率が高く好ましいです。
屋外に干した場合、生活感が出てしまいプライバシー確保する為にはサンルームやフェンスなど視線を遮る必要があります。
また、土地の広さや建物の予算限度によりその方法ができない場合があります。
その場合室内に設ける方法として、浴室を一人用のシャワー室に変更し、空いた面積を洗面所から利用できるように工夫する必要があります。
サンルームやフェンスは外構工事として建物とは別に追加費用が掛かります。
ハウスメーカーに一括で依頼する場合、中間マージンがかかり高額となることが多いので別の業者に見積依頼をし比較できるようにしましょう。
外構工事費用について詳しく説明した記事はこちら ↓
洗面所の後悔ポイント
設備配置やスペースの後悔
1.洗面器を2つ用意すればよかった。
2.洗面器を2つ設置したが、1つしか使わなかった。
3.収納が少なく、他の部屋を優先しすぎて洗面所が狭すぎた。
4.玄関から洗面所までが遠く、子供が遊びで汚れて帰ってきた時に廊下が汚れて大変だった。
5.コンセントの数と設置位置で失敗した。
6.水回りを回遊動線にしたら壁が無く、収納棚やタオル掛けが設置できない。
製品機能の後悔
1.自動水栓にすれば良かった。
2.洗面所の照明が暗かった。
あらかじめ考慮しておく点
洗面所は、トイレ・脱衣所・浴室・廊下など様々な部屋を出入りすることができる部屋でもあります。
出入りするドアを多く設けてしまうと、壁がなくなってしまい収納棚やタオル掛けを設置する所がなくなってしまい不便になることがあります。
改善方法として廊下から洗面所とトイレそれぞれ別々に出入りできるようにすると一面は壁ができる為、棚やタオル掛けを設置しやすくなります。
また製品の仕様や使い勝手は、システムキッチンと同様でショールームなどで直接確認をお勧めします。
まとめ(補足説明)
今回水回り計画において共通して配慮すべき点は以下の通リです。
・製品の仕様や使い勝手は、カタログだけで決めるのではなくショールームなどで直接確認する。
・実際の生活をイメージした間取り計画をするように意識すること。 ・土地の広さや建物の予算限度によって、設備のグレードや間取りの条件が変化する為、優先順位をつけておくこと。 ・設置する家電や家具の寸法や形状も把握し、コンセントの必要個数と取付位置も決めておき、スペース内に納まるか確認すること。 |
上記の内容を行うことである程度改善できると思いますので参考にしてください。
※補足説明
水回り配管も経年劣化する為何十年も住んでいると、配管が劣化し、破水等で漏水する問題が生じてきます。
そうゆう定期的なメンテナンスをスムーズに行う為には点検口が必要となります。
点検口の無い家の場合下記のようなデメリットが生じます。
①定期的なメンテナンスができないので、漏水等問題や不具合が起きて初めて業者を呼び確認することになる。
②どこから漏水しているか的確な場所が見つけられない為、床や天井の仕上げを一旦取り壊した後に復旧作業が必要となる。
その為、本来確認するだけの費用だけで済むはずが余計な仕上げの解体・復旧費など追加負担がかかる。
③解体や復旧作業が生じた場合修理や修復に時間がかかる可能性がある為数日しようできないこともある。
一般的には洗面脱衣場・キッチン回り付近の床に一か所ずつ、浴室天井に一か所、計3か所程度あれば点検しやすいでしょう。
生活動線については家族によって違いますので、それぞれの家庭で自分たちにあった間取りを模索してみてください。
そして、自分の理想と計画を照らし合わせてマイホームを建設してください。
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