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2023年8月9日

建築基準法での採光基準、建物配置に影響する制限とは?

建築基準法

建築基準法に定める採光基準とは居室の床面積に対して最低限度の光を窓や建具を通じて室内に取り入れる基準をいいます。

室内の部屋の種類によってそれぞれ計算方法が異なり、また都市計画によって定められた用途地域によっても定数があります。

土地を購入または既に不動産取得している土地がどのような用途地域、敷地形状、道路との接道状況によって建物の配置や室内の部屋の間取りにも影響してきます。

今回は採光に関する計算方法、基準の内容について説明していきます。

これから説明に使用する建築用語の略語

法第〇〇条 → 建築基準法第〇〇条

令第〇〇条 → 建築基準法施行令第○○条

居室の採光、換気計算によって窓の種類、大きさが決まる。

居室の採光は法第28条1項、令第19条によって定めらています。

居室とは継続して利用する部屋のことをいい、住宅であれば居間、食事室、台所、子供部屋、寝室や書斎などが居室として該当します。

居室において採光に有効な部分の面積は以下の条件を満たす必要があります。

採光を必要とする居室の用途種類と割合

建築物の用途 居室の種類 割合
①幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校の教室 教室 1/5
②保育所 保育室 1/7
③病院、診療所 病室 1/7
④寄宿舎又は下宿 寝室又は宿泊室 1/7
⑤児童福祉施設等 ・児童福祉施設等の寝室(入所者の使用)

・児童福祉施設等(保育室を除く)の保育、訓練、日常生活に必要な便宜の供与等に使用されるもの

1/7
⑥①に揚げる学校以外の学校 教室(大学、専修学校、各種学校) 1/10
⑦病院、診療所、児童福祉施設等 居室で入院患者又は入所する者の談話室、娯楽室等 1/10
住宅(法第28条1項) 居室 1/7

計算例

住宅の場合で居室の部屋が10m2であった場合

住宅 → 居室の床面積の1/7以上(有効採光面積≧1/7×居室の床面積が10m2)

必要有効採光面積は1/7×10m2=約1.43m2

よってこの居室部屋に対して約1.43m2(高さ1m×幅1.45m)以上窓面積が必要となります。

居室には法第28条によって換気について制限があり、原則として換気のための窓その他の開口部で居室の床面積に対して1/20以上のものを設けなければなりません。

必要有効換気面積は1/20×10m2=0.5m2以上となります。

採光上最低約1.43m2以上の採光用窓が必要でかつ0.5m2以上の換気のための開口をクリアしなければなりません。

上記の基準をクリアする例として、まず採光を取り入れる為の窓の大きさを高さ1m×幅1.45mにし、引き違い窓とすれば高さ1m×幅0.725m=0.725m2の換気も合わせて基準を満たすことが可能となります。

窓の種類や特徴について詳しく説明した記事はこちら↓

「窓の種類と名称」特徴や選定する上での注意点とは?

採光・換気に有効な部分の面積での注意点

下記の図のような採光と換気の算定において、随時開放できるふすま又は障子等で仕切られた2室は1室扱いになります。

用途地域によって採光補正係数が定めれている。

居室の採光は法第28条1項、令第19条に加えて、採光基準にはもう一つ令第20条第1項と2項の採光補正係数の条件を満たさなければなりません。

採光補正係数は、以下の用途地域に応じて各号に定める算定式により計算します。

地域 用途地域 採光補正係数
一号 住居系 第一種・二種低層住居専用地域、第一種・二種中高層住居専用地域、第一種・二種住居地域、準住居地域 D/H×6.0-1.4
二号 工業系 準工業地域、工業地域、工業専用地域 D/H×8.0-1.0
三号 商業系 近隣商業地域、商業地域、用途地域の指定の無い地域 D/H×10-1.0

先ほど計算例により説明した「必要有効採光面積1/7×10m2=約1.43m2」の結果に対して、さらに採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定した上で1.43m2以上でなければクリアしたことにはなりません。

用途地域が住居系の土地を購入した場合の計算例

D(開口部の直上にある建築物部分から隣地境界までの距離)を示す。

H(その部分から開口部の中心までの垂直距離)を示す。

計算設定条件

建築用途:新築一戸建住宅

居室の部屋面積:10㎡

用途地域:住居系(第1種住居地域)

水平距離(D):1.5m、垂直距離(H1):4.5m

窓の寸法:幅(w)=1.45m、高さ(h)=1m

採光補正係数計算式

1.5m(D)/4.5m(H1)×6.0-1.4=0.6

窓の面積

1.45m(w) × 1m(h)=1.45㎡

有効採光面積

1.45㎡ × 0.6 =0.87㎡

必要採光面積

1/7×10m2=約1.43m2

判定=0.87㎡<1.43m2・・・NG

上記の計算例では必要有効採光面積1.43m2を満たしていません。

条件を満たすためには下記の対策が必要となります。

必要有効採光面積をクリアできなかった場合の対策方法

・窓をもう1か所増やして採光面積を満たす。

・建物と敷地の隣地境界までの距離(D)を長くする。(1.5m→2.0mに変更するなど)

・開口部の中心までの垂直距離(H1)を高窓にして短くする。(4.5m→4.0mに変更するなど)

上記の対策例の一つ(D)の距離を2mに変更した場合

2.0m(D)/4.5m(H)×6.0-1.4=約1.27となり、窓の大きさを高さ1m×幅1.45m一か所で有効採光面積が1.84m2になる為、必要有効採光面積1.43m2の基準をクリアしたことになります。

このように採光計算基準によって敷地と建物の配置に影響がありますので、土地購入の際に役立つ知識だと思いますので覚えておきましょう。

採光補正係数の算定上の注意点とは。

採光補正係数には窓の配置によっても条件が異なります。

1.天窓(トップライト)を設置した居室は、通常の窓に比べて採光を取入れできることから採光補正係数は3を乗じた値として計算できるので先ほど計算例に出した隣地境界までの距離(D)を検討しなくても良いことになります。(図1参照)

2.開口部の外側に幅90㎝以上の縁側がある場合の採光補正係数は、算定値を0.7となります。 (図1参照)

例えば住居系「D/H×6.0-1.4」の計算結果が1.0だったとしても0.7として扱われる為注意して下さい。

3.開口部が道に面する場合は用途地域は関係なく「採光補正数値1.0」となります。

4.屋根の軒の出や高さ、道路、川・広場に面する場合の条件によって測り方が異なる。(図2参照)

図1

図2

図1・図2の規制により土地の形状や状況によって建物配置できる範囲が異なります。

また、これから注文住宅の間取りを計画する方は採光基準以外にも高さ制限・建蔽率・容積率・用途地域などによる建築制限も確認しながら検討することをお勧めします。

参考説明記事はこちら ↓

60坪の土地に建てられる家の間取りと注意すべき建築制限とは?

採光計算が不要な建物用途とは?

原則としてどんな用途の建物でも居室が有る場合は採光基準の対象となります。

また非常用照明やその他照明器具を設置しても採光計算対象外なので注意して下さい。

どうしても窓を設けられない無窓の居室であった場合は仕上げ材を不燃材料にする制限や消防法により消火設備を設けるなど厳しい基準を満たす必要があります。

まとめ

押さえてほしいポイント

・居室とは継続して利用する部屋のことをいい、居室がある建物は原則として採光基準の対象となる。

・必要有効採光面積(居室の床面積×用途ごとに定められた割合)≦窓の面積×採光補正係数を満たす必要がありその結果で窓の種類や大きさが決まる。

・窓の種類は必要有効換気面積(居室の部屋面積の1/20)以上満たしているかを確認し、換気用窓と併用するかによって決まる。

・採光補正係数は用途地域によって計算式が異なる

・道路に面している窓は採光補正係数が1となるので窓の面積のみ検討すればよい。

・天窓は採光補正係数に3を乗じた値となるので狭小土地など隣地境界までの距離が確保できない場合有効

 

上記によって計算事例は一般的な基準での算定例です。

土地周囲の地盤面の高さや、川、公園、道路の接道状況によって採光の計算方法が異なります。

土地の状況による計算方法をさらに詳しく知りたい人は以下の本を購入することをお勧めします。 ↓


建築申請memo2020

 

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