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2023年8月9日

「窓の種類と名称」特徴や選定する上での注意点とは?

住宅購入

「窓の種類と名称」特徴について

窓は採光や換気、外観のデザイン性に大きく影響し、住宅に使用する部屋の用途や発注者からの要望によって選定する種類も変わります。

窓といっても種類は豊富にあり、これから住宅を購入する方やリフォーム工事を計画されている方は特徴や使い分けのポイントを把握しておくと選定しやすくなります。

窓の種類や名称・特徴について以下の通り紹介したいと思います。

引違い窓

特徴

一般的に最も多く使用されている型式で、2枚以上のガラス戸で左右に移動し、開閉させます。

バルコニーや庭からの出入りの場合、掃き出し窓と呼ばれている。

使用に適した部屋

主にリビングや子供室、洗濯物干しする為バルコニーや庭に出入りする場所に適している。

片引き窓

特徴

引違い窓よりも気密性は高いが、ガラスの外面からの掃除に難がある。

使用に適した部屋

引き違いと同じくリビングや子供室、洗濯物干しする為バルコニーや庭に出入りする場所に適している。

はめ殺し窓(FIX)

特徴

通称FIX窓とも呼ばれ、4方枠を壁に固定して採光のみを取り入れるための窓。

気密性に優れている。

使用に適した部屋

防火基準の法規制で換気窓の設置ができない場所や、天窓(トップライト)などに利用されている。

 

回転窓

特徴

戸の中央を軸に回転することで換気と採光両方を取り入れることができるが、防犯用または落下防止の為の格子は取付できない。

また網戸もつけられない為、住宅では使用頻度は少ない。

ガラスの外面の清掃は容易。

使用に適した部屋

不特定多数が出入りする(デパート)風除室

遊園地のマジックミラーやお化け屋敷など

横滑り出し窓

特徴

窓枠を左右に溝にはめ込むことで開閉できる。

風によるあおりの影響は受けにくく、雨が降ってもすぐには入ってこないのはメリット。

オペレーターやフック棒による遠隔操作が可能で手が届かない高所にも使用できる。

90°に開いた場合、窓の面積分換気できる。

使用に適した部屋

換気が多く必要な部屋

 

外開き窓・内開き窓

特徴

片開戸と同じ蝶番を回転軸に円弧を描く形で開閉します。

外開きの場合は内側、内開きの場合は外側に網戸を取り付けも可能ですが、開閉時に内開きタイプであることから、開閉スペースが多く必要。

窓面積全部が開口になる為、換気は他の窓に比べて良い。

気密性、水密性、遮音性は良いが、風にあおられる恐れがある。

使用に適した部屋

台所からの勝手口ドアや、廊下など

 

外倒し窓・内倒し窓

特徴

外倒し窓の場合、火災時の煙を排煙窓として最適ではあるが、雨が降った時には屋内に侵入したすい。

内倒し窓の場合、外に障害物があるときや燐家との距離が近く目線などのプライバシー確保としては最適。

外倒しの場合、オペレーターやフック棒による遠隔操作が可能で手が届かない高所にも使用できる。

使用に適した部屋

内開きの場合:トイレや浴室などの水回り

外開きの場合:厨房や台所、公共施設

突出し窓

特徴

枠の上端を軸として外側に突き出し開閉するタイプの窓。

他の窓に比べて換気や通風が劣るが、気密性は高く、解放時に雨が降っても屋内には侵入しにくい。

オペレーターやフック棒による遠隔操作が可能で手が届かない高所にも使用できる。

使用に適した部屋

隣の家からの目線などプライバシーを確保したい部屋全部

ただし、ガラス板は透明ではなく、型板ガラスやすりガラス、曇りガラスを用いると効果的。

上げ下げ窓

特徴

2枚のガラス戸を上下に移動し、開閉するタイプの窓。

外側から侵入しにくい構造な為、防犯性に優れていますが、制作範囲の限度により幅の広い開口は困難。

しかし開閉する際に窓の重量が直接負荷がかかり開閉しにくいデメリットもあります。

使用に適した部屋

寝室や水回り

ルーバー窓(ジャロジー窓)

特徴

羽状のガラスをハンドル操作で回転させて開閉するタイプの窓。

外部からドライバーで簡単に取り外せることから防犯性は劣るが、格子を取り付けると改善可能。

他のガラスより気密性が低く、雨水も侵入しやすい。

使用に適した部屋

浴室や中庭など雨水が侵入しても問題ない部屋

 

ドレーキップ(内開き内倒し)窓

特徴

ハンドルを90°もしくは180°ひねって内開きや内倒しなど複数の開閉が可能なタイプの窓。

気密性・防犯性共に性能が高い反面コストが非常に高額である。

日本にあまり浸透しておらず使用頻度が少ない。

使用に適した部屋

トイレや浴室、寝室など

窓の種類や特徴からわかる性能と選定する上での注意点

冒頭で窓の種類や特徴について紹介してきましたが、選定する上で以下の性能や注意点をあらかじめ知っておくと部屋の用途によっての種類の使い所を決めやすくなります。

よくある失敗例としてデザイン性を重視した結果、用途に適していない窓を設置してしまい入居後「雨漏りやプライバシーなどもう少し考えておけば良かった。」などということもあります。

関連記事はこちら ↓

注文住宅の間取り失敗例から学ぶ改善対策方法とは?

窓の種類や特徴からわかる性能

窓の種類ごとに各性能に対しての評価を以下の通り表にしてまとめました。

凡例

◎ → 良い 、〇 → 普通 、 △ → やや劣る 、 × 、劣る

項目 コスト プライバシー 換気・通風 外部掃除 気密性 防犯性
引違い窓
片引き窓
はめ殺し窓(FIX) × ×
回転窓
横滑り出し窓(オペレーター無し)
外・内開き窓
外・内倒し窓(オペレーター無し)
突き出し窓(オペレーター無し)
上げ下げ窓
ルーバー窓
ドレーキップ窓 ×

上記の項目をヒントに使い所として以下の内容として挙げられます。

・費用を抑えたいなら「引違い窓」、「はめ殺し窓(FIX)」が有利。

・手が届かない高所の設置やプライバシーを重視する設計の場合、「横滑り出し窓」、「外・内倒し窓」、「突き出し窓」が有利。

・換気や通風を重視したい設計の場合、「外・内開き窓」、「横滑り出し窓」、「回転窓」が有利。

・外側掃除のしやすさを重視したい場合、「回転窓」、「引き違い窓」、「ドレーキップ窓」が有利。

・気密性を重視したい設計の場合、「はめ殺し窓(FIX窓)」、「突き出し窓」、「ドレーキップ窓」が有利。

・防犯性を重視したい設計の場合、「はめ殺し窓(FIX窓)」、「上げ下げ窓」、「ドレーキップ窓」、が有利。

選定する上での注意点

・基本的に内開きの窓は雨仕舞(水密性)が悪く、納まり上屋内に進入しやすい。

・ガラスには種類が豊富で性能も異なるため、組み合わせによって評価は変化する。

・庇や格子の取付によって防犯性、水密性、プライバシーの効果は高まる。

・建築基準法の防火基準、採光や換気計算によって窓の種類は制限されることがある。

・防火窓にする場合はコストが割り増しされる。

・サッシ(窓枠)に使用する材料は外部はアルミ、内部は木質など設置する場所によって材質を適切に選択する。

合わせて知っておきたい記事 → 建築基準法での採光基準、建物配置に影響する制限とは?

建具とはなにか?種類と仕様、設計上の注意点について

 

 

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