固定資産税の基となる「固定資産税評価額」とは?
土地や建物など不動産を購入することで支払う税金が発生するのが「固定資産税」です。
その税額の基となるのが「固定資産評価額」で、都市計画税や登録免許税、不動産取得税、などの税金を計算する場合の基準にもなっており、3年ごとに各市町村によって決定される評価額のことをいいます。
固定資産税評価額は、土地や家など不動産をそれぞれ評価する「固定資産評価基準」に基づいて、各自治体の担当者が一軒ずつ調査して決定しています。
固定資産税評価額の計算方法とは?
土地や家を取得していると、毎年固定資産税を納付することになり、所有権の登記している人に対して課税され、第1期の納付時期前に納税通知書が送られてきます。
固定資産税の計算方法は、「固定資産税評価額×1.4%」の結果により税額が決まっており、固定資産税評価額をもとに計算されている税金は主に以下の3つの項目となります。
1.都市計画法による市街化区域内に土地や家を取得している人に課税される「都市計画税」
2.家や土地など不動産を取得したときに1回限り課税される「不動産取得税」
3.登記にかかわる「登録免許税」
土地の固定資産税評価額の算定方法
土地の場合は時価の約70%が固定資産税評価額の目安とされており、例えば、土地の評価額が1000万円だとすると、1000万円÷70%=1428万円が実勢価格として評価され、その値段が土地売却できる目安額となります。
評価の内容は主に下記の項目によって、評価額は違ってきます。
1.土地がどんな場所にあるか。
2.面積や敷地形状。
3.道路がどのように接しているか。
建物の固定資産税評価額の算定方法
建物の場合は、新築時に業者と契約で取り交わした請負工事金額の約50~60%が目安とされており、評価の内容は下記の項目によって評価額が違ってきます。
1.家の規模(面積)や構造(木造、鉄骨、鉄筋コンクリート造など)。
2.建物の築年数。
3.建具と水回り(システムキッチン、ユニットバス、トイレ)の数やグレード。
固定資産税評価額の調べ方は?
固定資産税評価額の調べかたは、主に3つの方法です。では、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
固定資産税の課税明細書で確認する
課税明細書は、土地や家を持っている人に各市町村から届く固定資産税の納税通知書に添付されています。
課税明細書の「価格」の欄に記載されているのが、固定資産税評価額です。
固定資産課税台帳を閲覧する
「固定資産評価基準」によって評価された固定資産は、各市町村長が価格を決定し、固定資産税台帳に登録されます。
台帳に登録されているのは、固定資産の所有者・所在・価格です。これは、役所の担当する課で閲覧することができます。
閲覧できる人は、固定資産税の納税義務者(共有者も含む)、相続人、借地人・借家人などです。
固定資産評価証明書を取得する
固定資産税台帳に記載されている内容を確認するためには、固定資産評価証明書を取り寄せる方法もあります。
取り寄せるには、固定資産のある役所の担当する課に申請書と運転免許証などの本人確認書類、手数料を添えて申請します。
同じ床面積でも家によって固定資産税評価額は変わる?
固定資産税評価額は建設費用が高額な家ほど、高くなる傾向にあります。
同じ床面積の家でも、木造の家よりも建築費用が高額な鉄筋コンクリート造の家のほうが評価額が高いのが一般的です。
また、床暖房、システムキッチンやユニットバス、トイレなどの設備の品質や数、大きさなどが固定資産税評価額に影響します。
軽減できる特例について説明した記事 → 固定資産税で税金が軽減される特例とは?
木造の一戸建てとマンション、固定資産税が高いのはどれ?
固定資産税評価額は、同じ購入価格でかつ土地の評価額に大きな差がない場所にある物件の場合、単純に比べることはできません。
しかし、一戸建住宅よりもマンションのほうが立地や家の規模、構造などの評価基準として固定資産税は高い傾向にあります。
その理由は以下の項目が挙げられます。
・固定資産税は一般的には土地よりも建物側に多くかかる。
・マンションは敷地面積を全体住戸数で割った分が所有区分となるため、購入価格での建物の占める割合が大きくなる。
・建物規模も大規模建築物なので建築基準法上、木造ではなく鉄筋コンクリート若しくは鉄骨鉄筋コンクリートになることが殆ど。
これらの理由からマンションの方が資産価値が高い評価とされ、税金の負担も一戸建よりも高くなる傾向があります。
新築一戸建購入を考えている方は以下の記事も参考にしてみてください。
↓
【マイホーム計画】購入の流れや進め方、決める順序とは?【重要】
固定資産税評価額の査定方法が間違っていることはない?
固定資産税評価額は、登記後に自治体の担当者がどのような家なのかを一軒ずつ訪問し、確認した上で決定されています。
実は毎年4月1日から最初の納期限の日までの間、固定資産税評価額は自分が所有している不動産情報だけでなく、他の納税者の土地や家屋の評価額も固定資産縦覧帳簿(台帳)によって各市町村役場で閲覧できます。
自分の土地や家屋が同じエリアの他の土地や家屋と比較して大きな違いがあった場合、適正に評価されているかの審査の申し出をすることが可能です。
土地には固定資産税評価額以外に4種類の価格がある
納税だけでなく、不動産売買においても重要な指標となる固定資産税評価額。土地には、このほかに4つの価格があります。
この価格と固定資産税評価額を一括りに「一物五価」、または基準地価を取り除いて「一物四価」と呼ばれることも多いので、この機会に覚えておくと便利です。
公示価格
公示価格とは、毎年1月1日時点の地価を評価し、国土交通省の審議会である土地鑑定委員会が公表した土地の価格です。
公共事業の用地買収の際には、この価格を基準に決めることとされています。
基準地価
基準地価とは、各都道府県で出されるもので、毎年7月1日時点に基準地を評価しています。
この評価における基準地は上述した「公示価格」での標準地と同じ場所が選ばれている場合もあります。
路線価
国税庁が選んだ道路の値段に基づいて算出されるのが路線価です。
その中には相続税や贈与税の計算に使われるものと、固定資産税の計算に使用するものがあります。
それぞれ相続税路線価、固定資産税路線価と呼んで区別しています。
時価/実勢価格(実際に売買が行われる価格)
実勢価格とは、実際の取引が成立する価格を示したものです。
取引が行われた際には、その価格を実勢価格としまだ行われていない場合は、過去の周辺地域での取引事例や固定資産税評価額、路線価を参考にします。
まとめ
固定資産税評価額とは、総務大臣が定める「固定資産評価基準」に基づいて決定価格のことで、家や土地などの固定資産税などの税額を算出する際に利用されます。
また、固定資産税評価額は家や土地を持っている人に毎年届く、固定資産税の納税通知書に添付されている課税明細書で確認することができます。
この他にも、役所や都税事務所で、固定資産税評価額が記載された固定資産課税台帳を閲覧、あるいは、固定資産評価証明書を取り寄せて確認することも可能です。
納める税金の計算方法がわかれば資金計画を立てやすくなります。
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