外壁材の種類と価格、メンテナンスを含めた総合比較について

住宅購入

住宅の外壁は美観性はもちろんのこと、防火性、防音性、防水性、断熱性など日々快適に過ごす為には重要な部分といえます。

これらの性能を仕上げ材のみで全てクリアすることは難しく、不足している所は建物の構造材料・下地材や継ぎ目の納まり方法など他の部分で補わなくてはなりません。

その性能の中で外壁材で補わなくてはならないのはやはり防水性、断熱性を重視する必要性があり、またメンテナンスする上での材料自体の耐用年数を比較した結果で材料を選定すると良いと思います。

外壁材の種類と材料価格について

外壁材で主に使用されているものは「モルタル」「サイディング」「ALCパネル」「タイル張り」などがあります。
これらの材料のそれぞれ性能評価やコスト面について総合比較表によりまとめました。

項目 モルタル 窯業系サイディング 金属系サイディング 樹脂系サイディング 木質系サイディング ALCパネル タイル張り
耐火性
防音性
防水性 × ×
断熱性
美観性
コスト 2280~4770円/㎡ 4110~6570円/㎡ 4860~5390円/㎡ 4230円/㎡ 15200円/㎡ 4820~8570円/㎡ 2450~8900円/㎡
耐用年数 20年~40年 20年~40年 20年~40年 20年~40年 20年~40年 60年 40年
メンテナンス周期 5~10年 8~10年 8~10年 15年 7~10年 10~15年 15~20年

凡例
◎ → 良い 、〇 → 普通 、 △ → やや劣る 、 × 、劣る

下地材の性能評価と価格の判断基準

上記の表による判断基準は以下の通りです。

・モルタル、ALCパネルによる結果は下地材のみ、サイディングとタイル張りは仕上げ込みの性能評価です。

・耐用年数については「建築物のライフサイクルコスト」監修/国土交通省大臣官房庁営繕部を参考にしております。

・価格については2020年度版の積算資料 住宅建築編による経済評価会の評価価格を参考とし、施工費については別途費用で材料費のみ採用しています。

外装材でお勧めの下地材とは?

1位 窯業系サイディング

木造住宅の殆どがこの下地材を使用されています。

理由として挙げられるのは以下の通りです。

・種類や性能が要望に応じて幅広く選択できる。

・性能が全体的にバランスが良い。

・重量が軽く、必要な強度に合わせて厚さも多く選択できる。

2位 モルタル

木造以外にも鉄筋コンクリート造などにも使用されています。

理由として挙げられるのは以下の通りです。

・塗装仕上げによって耐久性能が上がり、デザインも要望に応じて幅広く選択できる。

・コストも安く、性能バランスが良い。

・施工実績が多く、補修がしやすい。

3位 金属系サイディング

木造又は鉄骨住宅にこの下地材を使用されています。

理由として挙げられるのは以下の通りです。

・ひび割れや凍害に強い

・断熱性能が高い

・継ぎ目が少なく、漏水の発生がしにくい。

外壁下地材と塗装仕上げの組み合わせについて

外壁下地材は、塗装仕上げや工法など建物構造体との組み合わせによっても性能が異なります。

下地材に加えて塗装仕上げを行うことでさらに性能を高めることが可能となりますが、塗装の種類や組み合わせの特徴を理解していなければ、性能が向上せず、お金を無駄にしてしまいます。

例えば、木造・鉄骨住宅の場合の外壁材選定方法は、構造材そのものが耐火性、防水性、防音性などが劣る為、その部分を補えるモルタル下地+上塗りにシリコン系塗料の吹き付けタイルを選定する方法や、ALCパネル下地+フッ素系塗料などが考えられるでしょう。

鉄筋コンクリート住宅の場合は、耐火性能も高く、かつ外壁厚さが180mm以上あれば躯体のみでも防音性能は高いのが特徴的です。

防水面はそれほど性能は高くはないので、防水性・耐久性を高める効果があるシリコン系塗料やフッ素系塗料を仕上げに使うと効果的だと思われます。

外壁塗装の種類、性能や耐用年数について詳しく知りたい人は以下の記事を参考にして下さい。

外壁塗装の種類と耐用年数、予算調整の注意点とは?

モルタルとは?

モルタルに含まれる材料はセメント・水・砂を混ぜ合わせたものです。

この外壁材は不燃材料の為、防火性が高く、継ぎ目がなく、どんな形状の外壁にも対応できるデザインの自由度の高いといえます。

施工方法は、現場での職人の手作業によるもので、左官工の能力や塗装工の腕、現場での品質管理によって仕上げや耐久性能に大きな差が生じます。

サイディングとは?

サイディングは板状の外壁材を総称したもので工場生産により品質が安定しています。

冒頭でも話しましたが、一般的に窯業系が多く使用されています。

種類や特徴は製品によって、それぞれ性能が異なります。

ALCパネルとは?

ALCとは、ケイ酸質、石灰質、アルミニウム粉末を主原料としたコンクリートパネルのことです。

特徴としては、厚型と薄型の2種類あり、薄型は厚さ35mm~75mm未満(主に木造や鉄骨造に使用)、厚型は厚さ75mm以上(主に鉄骨造、鉄筋コンクリート造などに使用)されています。

また、耐火性・断熱性が高く非常に優秀な外壁材ですが、ALCは多孔構造なので防水性はほとんどありません。

防水性能がない塗装仕上げを選択してしまった場合、ALCは水を吸水してしまう為、内部から外壁が崩れてしまう可能性があります。

そのため、ALC外壁の防水性の低さは仕上げ材の防水機能で補います。仕上げ材に使用する塗料は防水性・弾性の高いものを選ぶのがポイントです。

塗料は種類によって価格が異なり、フッ素塗料やシリコン塗料はアクリル、ウレタン系塗料に比べて価格が高くなりますが、その分寿命が長いため塗り替え頻度が少なく済むメリットがあります。

また性能によってALCパネルの耐久性も変わってくるので、業者と相談して適した塗料を選びましょう。

タイル張りとは?

タイルは、粘土を主成分とした原料を、板状にして焼き固めたものをいいます。

外壁に貼る工法は、主に以下の2種類あります。

・サイディングと同様のパネルを下地板とした「乾式工法」

・モルタルで下地を作り、その上からタイルを貼る「湿式工法」

実際に掛かる費用は「乾式工法の場合、タイルの材料価格+サイディング下地材」、「湿式工法の場合、タイルの材料価格+モルタル下地材」となります。

メンテナンスが必要と思われる周期について

「ALCパネル」、「サイディング」などの納まりは継ぎ目が生じるためコーキングを行います。

下地材の周期が15年だったとしても、コーキングそのものは8年~10年で伸縮し、隙間が生じてきますので定期的な周期は約10年と判断した方がよいでしょう。

「モルタル」の場合は継ぎ目はなく、コーキングの必要はありません。しかし、どれだけ良い施工をしても5~10年以内にはひび割れが発生します。

塗装を施すことによって周期を延ばすことは可能ですので塗装仕上げまたは施工業者選定は重要です。

「タイル張り」は施工方法が良ければ20年以上メンテナンスをしなくても大丈夫な所もありますが、もっとも注意して欲しいのは浮きと剥がれです。
これは、施工不良や継ぎ目・コーキングの劣化が原因でタイルの裏側に水が侵入し、浮きや剥がれが発生します。

またメンテナンスが少ない「乾式工法」を採用しても、下地のサイディングには継ぎ目があるので、水が侵入しないように注意が必要なため、浮きが剥がれ、継ぎ目やコーキングの劣化を定期的に確認しましょう。

まとめ

外壁材を選定するうえでも建物構造、下地材、仕上げや工法など様々な特徴を理解しなければ自分の思った快適な生活がイメージできないとおもいますので参考になれば幸いです。

また今後のメンテナンスも意識した材料や仕上げの選定をすると後悔しない家作りになるでしょう。

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