断熱材の種類と性能の違いとは?住宅断熱性能の基礎知識

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住宅断熱材として使われている種類とは

国内でも近年、「省エネ住宅 ZEH(通称ゼッチ)」のという年間の一次消費エネルギー量(空調・換気・給湯・照明)の収支をゼロにする住宅を増やすことを目標として政策に力を注いでいます。

ZEHの省エネ対策の一つとして住宅の断熱性能向上により、家電などの電気量を抑える工夫が条件となっており全国の1~8地域に分類した基準値(UA値「外皮平均熱還流率」)を設定しています。

断熱材の種類によって特徴や性能・価格が異なり、UA値の基準を満たす為には断熱材選びは重要です。

主に使用されている断熱材の種類・特徴・性能は以下の一覧表により紹介します。

断熱材の種類
材種 材料名(商品名) 特徴・工法※2・価格※3

熱伝導率※1

(w/㎡・k)

無機繊維系
グラスウール(旭ファイバーグラス グラスウールボード)
・充填工法

・価格は㎡当り2500円~14000円程度

・生産性が高く広く普及している。

・燃えにくく、防音効果有

・湿気対策が必須

0.05~0.032

ロックウール (吸音断熱材 ホームマット)
・充填工法

・価格は㎡当り2400円~8300円程度

・撥水性が高い

・燃えにくく、吸音効果有

・湿気対策が必須

0.04~0.035
木質繊維系
ポリエステル繊維 (エンデバーハウス)
・充填工法

・価格は㎡当り2000円~6500円程度

・結露を防ぎやすい

・防音効果有

0.045~0.033
発砲プラスチック系
ポリエチレンフォームスタイロフォーム
・外張り工法

・価格は㎡当り873円~6400円程度

・結露を防ぎやすい

・施工が容易

・熱に弱い

0.040~0.035

硬質ウレタンフォーム(チップウレタン【#07硬度 中】)
・外張り工法

・価格は㎡当り2920円~24700円程度

・断熱性が高い

・燃えると有毒ガスを発生する。

0.028以下

フェノールフォーム(日動電工 断熱ボード )
・外張り工法

・価格は㎡当り2000円~13400円程度

・燃えにくい

・耐久力がある

・断熱性が高い

 

0.020
天然素材系
日本製 羊毛断熱材 サーモウール(THERMO WOOL)
・充填工法

・価格は㎡当り17000円~27000円程度

・防虫効果がある

・調湿力がある

・対応業者が少ない

0.039~0.049

※1.熱伝導率は、熱の伝わりやすさを表す単位のことで低い程断熱性能は高い。

※2.断熱材の工法は、住宅の基礎部分・外壁・屋根など建物ごと覆うように施工をする「外張り工法」と住宅の基礎部分・外壁内・天井内・屋根裏など内部に充填する「充填工法」に分類されます。

充填工法の一種で柱や梁の間を埋めることができる「吹き込み工法」があります。

隙間が無い分断熱性能は高いのが特徴ですが、施工の難易度が高く専門業者でないと対応できないのがデメリットといえます。

※3.価格はメーカのカタログ材料単価のみを参考。

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断熱材の選ぶポイントとは?

断熱材を選ぶポイントは以下の項目が挙げられます。

熱伝導率が低く、厚みに対して価格が安価かどうか。

フラット35Sプランに適合する為の断熱性能基準又は国が基準として定めた省エネ住宅(ZEH)などに適合する条件の中でも、断熱材の性能は重要となります。

地域によって異なりますが一般的に必要な断熱材の厚さの目安として以下の表にまとめました。

部位 断熱材の必要厚さ(充填工法) 断熱材の必要厚さ(外張り工法)
屋根 105~345mm 90~300mm
天井 90~300mm 90~300mm
50~175mm 40~155mm
床(外気に接する部分) 75~275mm 55~200mm
床(その他の部分)
土間床等の外周部

(外気に接する部分)

40~185mm 40~185mm
土間床等の外周部

(その他の部分)

15~65mm 15~65mm

熱伝導率が低い断熱材であれば、性能も高い為必要厚さも薄くても条件に適合します。

価格だけでなく性能に応じた厚さも検討した上で決める方法が、結果として費用を抑える効果があるでしょう。

フラット35Sと省エネ住宅(ZEH)に関する記事はこちら ↓

新築住宅補助金【2020年版】優遇制度や申請、対象物件とは?

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「吹き込み工法」のような専門業者でないと施工できない材料ではないか。

断熱材の種類の中で発砲プラスチック系の商品で「吹き込み工法」で施工しなければならない材料があります。

冒頭でも説明しましたが吹付で隙間が生じない分断熱性能は高いことはメリットといえますが、施工の難易度が高く対応できる業者が少ない為、複数業者比較がしにくいので相場が把握できないことがあります。

性能と費用を両方バランスを取りたい方は、できるだけ施工が容易で対応できる業者が多い材料を選ぶようにしましょう。

断熱性能以外の防音や防虫・不燃性能など特徴を含めた価格検討をする。

断熱材の種類で「無機繊維系」、「木質繊維系」の商品の中では防音・不燃性能も含まれた材料や「天然素材系」は防虫効果がある材料など断熱性能に加えた性能商品があります。

防音対策や防火地域などで建物を不燃性能が求められている場合は、このような複合性能をある材料を選定することをお勧めします。

防火地域・防音室について説明した記事はこちら ↓

【防音室の作り方】施工内容や費用の相場について

延焼ラインとは?防火設備・外壁の仕様と道路からのラインについて

材料の生産性と保証期間

材料の生産性が高い場合、メンテナンスや補修工事の際に容易に取り換えすることや自分でDIYする場合でも施工しやすいメリットがあります。

生産性の低い材料の場合、材料自体が廃盤となり別の材料に全て取り換えする補修工事が発生することがあり、高額な工事費用が掛かることがあります。

また、メーカーによって保証期間を対応している商品もあり、購入前に年数が記載されている保証書など発行してもらえるか確認する方が良いでしょう。

気密性能の評価数値(C値0.7以下)であるか

C値とは建物の気密性能を測る指標ことでこの数値が低い程、気密性能が高いことを示します。

いくら断熱性能が高い材料を施工しても、建物自体の気密性能が劣っていれば断熱効果はありません。

一般的な目安としてC値0.7以下であれば気密性能があり、断熱効果があります。

木造住宅で気密住宅の施工に慣れている業者であれば、C値0.7以下はそれほどハードルの高い数値ではなく普通に出せます。

ただし、建物形状が複雑で3階建て住宅の場合数値が悪くなる傾向がありますので依頼業者と相談しながら進めて下さい。

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